hinnを構成する全ての要素の先にあるのは、品格ある働く人にふさわしい美しさ。その品格溢れる美を表現するために、世界中から厳選された皮革素材を使用し、日本の熟練した職人の手により１点１点丁寧に製品を作り上げています。

働く人にふさわしい素材を求めてたどり着いたのが、独ぺリンガー社のシュリンクレザーでした。
ぺリンガー社は、近年の技術の進歩により短時間での鞣しが一般的となっている今もなお、伝統的な製法にこだわり時間をかけてゆっくりと鞣された革を生産しています。収斂性の強い鞣し剤により収縮されるため、しなやかで深いシボが入り、一枚一枚が個性豊かな表情を見せ、型押し革とは異なり模様は不規則で1つとして同じものは存在しません。素材はカーフ（生後６か月以内の子牛の革）で、非常にきめが細かくしっとりと柔らかい手触りでありながら、高いなめし技術により繊維の締りがしっかりとしてコシがあるのが特徴で、キズや摩擦に強いのも魅力の1つです。
また、鮮やかで繊細な色出しの素晴らしさも大きな魅力です。世に出回っているカラフルな革は、鮮やかさを出すために顔料を厚塗りして仕上げているものが大半です。比較的容易な技術で生産することができますが、革表面を顔料で厚くコーティングしてしまうことになるので、どうしても革の透明感や自然な風合いが失われてしまいます。ドイツシュリンクはしっかりとアニリン染料仕上げをした上に、薄く顔料を使用することで、革の自然な表情を活かしながらも鮮やかな色出しを実現しています。

＜ペリンガー社＞
ペリンガー社は、１８６４年にドイツにて創業し140年以上の歴史を持つ老舗のタンナーです。カーフ専門のクロム鞣し技術と伝統を守り続けてきたペリンガー社は、原皮の品質にも妥協をせず、飼料までにもこだわって飼育した牛の原皮を使用しています。ペリンガー社のクロムなめし革の品質は非常に高く、ヨーロッパの有名ブランドも顧客として抱えています。また、環境問題に厳しいヨーロッパで水質問題から数多くのタンナーが撤退を余儀なくされている中で、水処理設備を整備し環境に配慮した優良なタンナーとして、今なお生産を継続し高い評価を得ている数少ないタンナーの１つです。

働く人の品格に相応しいプロダクト、それは素材とつくりの良さを生かしたミニマルなデザイン。ミニマルなデザインだからこそ、縫製や仕上げの粗が目につきやすいため、繊細な技術が必要とされます。また、素材や製品の仕様、ヘリ返し、切り目などの細かい手法の違いにより、職人に求められる専門性は異なります。hinnではこの世界で50年を超えるキャリアを誇る熟練した職人をはじめ、素材や仕上げ方法などの特性に合った職人を選定して、ものづくりを行っています。

わたしたちが考える美しさは、一寸の迷いも妥協もない選び抜かれたマテリアルと日本の職人の最高水準の技術をもって作り上げられています。例えば、多くのブランドが手間と時間を抑えるために他社に依頼しがちな革の裁断ひとつをとっても、一枚一枚のコンディションの違う革の状態を見極め、完成する製品をイメージしながら、丁寧に行っています。そして、裁ち、漉き、塗り、縫い、仕上げ、検品のすべてを一貫して管理することで、高い品質を保っているのです。